絵本フェスティバル2018 お菓子の家とヘンゼルとグレーテルの世界【アイシングクッキーでストーリー】

絵本フェスティバル2018 西洋館で物語の世界を旅する3日間 お菓子の家とヘンゼルとグレーテルの世界【メインテーブルディスプレイ】

の続きです。

ヘンゼルとグレーテルの世界をどう表現するか、最初とても悩んでいました。
小さなクッキーであの広くて重厚感のある空間を埋められるのか。
テーブルコーディネイトは専門外なのでそこには自信がなく、クッキーでストーリーを表現して、いくつものシーンを大きな額縁に入れてテーブルを囲み、順番に絵本を読んでいるようにしよう!と思いつきました。

いざそれに向けて準備を始めると、ヘンゼルとグレーテルの物語は結構奥が深く、きちんと絵本のように再現しようと思うとかなりたくさんのシーンが必要になると気づきました。
外交官の家をはじめ、西洋館に来られる方は写真を撮られる方が多いのも知っていたので、額縁に入ったガラス越しのクッキーは美しく撮る事が難しいかなとも考えました。

アイシングクッキーを知っている方ならひとつひとつクッキーで出来たストーリーを楽しんでもらえるかもしれませんが、そうでない方は同じようなクッキーを単調に並べられても楽しくないのではないか、色んな事を考え始めるとなかなかスタートが切れずにいました。

そんな時に外交官の家の館長さんに、クッキーで作ったカップ&ソーサーの写真をお送りしたところ、これをメインテーブルに装飾してほしいと言って下さった事がきっかけで、もう一度ディスプレイを考えなおす事となります。

ヘンゼルとグレーテルと言えば、やっぱりお菓子の家。
いろんな方にストーリーを覚えているかお聞きすると、割とあいまいな記憶の方が多くストーリーはそれほど大切ではない気がしました。
意外とメルヘンではなくダークなお話のヘンゼルとグレーテルを忠実に再現するより、もっと夢のような世界を作ってみようと思ったのです。

クッキーを作り始めてずっと心掛けていることは、笑顔になるクッキー。
見ているとなんだか心がほっこりして、自然と笑顔になってしまうようなクッキー。
原点に戻って、私の作りたい世界を作れば良いんだと思った瞬間に、切れずにいたスタートがやっと切れました。

腹ペコのヘンゼルとグレーテルが辿り着いた夢のようなお菓子の家とお菓子達、せっかく外交官の家の素敵な空間をお借りするのだから、メインのテーブルは本当のテーブルのようにしようと決めました。

前置きが長くなりましたが、でもやっぱりヘンゼルとグレーテルのお話しはクッキーで表現したいなという気持ちも捨てきれず。
ディスプレイの相談などをしていたお友達から、お皿をキャンバス代わりにしてクッキーを置いたらどう?と言われたのです。
その一言で全てのディスプレイが繋がりました。

繋がらない時は全く平行線なんだけど、パズルのピースがカチッとはまる感覚。
全てのイメージが固まりました。

とはいえ、お家はお家、ケーキはケーキでひとつずつ試行錯誤を繰り返しながらの作業となりますが。それは置いておいて。

クッキーをお皿で表現する、椅子は6席~10席と決まっているのでその枚数を考えました。
本当は何十枚も必要とするような複雑なお話しを、最大10枚、印象的なシーンを切り取ってクッキーを作ってみる事にしました。

まずはメインキャラクター作りから。

私のイメージする可愛いヘンゼルとグレーテルの兄妹。
本気でボロボロの服はかわいそうだから、可愛い服に継ぎはぎをして。
もちろん色んな資料を集めて、紙に実際にいろんなシーンを描き出して色をつけ、シーンを作っていきました。

このキャラクター達は本当に複雑なので、1枚作るのにかなり時間がかかります。
色もたくさん使うし、重なりが多いので乾かしてから次の作業、と乾燥器に入れて出して入れて出しての繰り返し。
とても大変なんだけど、やっぱり好きな事なのでレッスン後に夜な夜なする作業も楽しかったなと今になると思います。

そして完成したのが8枚のプレートです。
ストーリーを8枚にギュギュっと凝縮しているので、若干無理がありますが(笑)
無理があるので、ちゃんとキャプションをつけないと分からないと思い、ストーリーを書く事にしました。
この辺は搬入の3日前。
日にちが迫っていて諸々最終仕上げの段階で、本当に寝不足でストーリーを短く考える余裕もない時に、協力アシスタントさん達が「ストーリーは考えるから、あこちゃんにしか出来ない作業をして!」と言ってくれたのです。
あ~思い出しても泣けてくる><

そんなこんなで、たくさんの方に助けてもらって完成した8枚のプレート。

1枚目は木こりの貧しい家をイメージして、ストーリーが始まります。
①『まずしい一家がいました。ヘンゼルとグレーテルはまずしさからまま母に山に捨てられてしまいました』

②『落とした小石をだどって2人は家に帰ることができました』

③『二度目に捨てられた時は目印をパンにしました』『そのパンは2人が寝ている間に鳥に食べられてしまいました』

④『わぁ!お菓子の家だ!!』

⑤『お腹がすいていた2人はむちゅうでお菓子を食べました』

⑥『お菓子の家は魔女が子ども達をおびきよせるわなでした』

⑦『かしこいグレーテルはかまどに魔女をおしこみ、焼いてしまいました』

⑧『無事に家に帰りついたふたりはお父さんと幸せに暮らしました』

おしまい☆

本当はもっともっと細かいストーリーがありますが、印象的なシーンだけに絞って作ってみました。

実際にテーブルを回りながらストーリーを読んで下さって『あ~、こんな話だったね!思い出した!』と言われる姿を見て、作って良かったなと思いました。
一番のつっこみどころは、『魔女、優しそう』。

本当は子供たちを食べてしまおうと目論む極悪人なのですが(笑)
せっかく皆様に見てもらうので、お菓子作りとお洒落が好きなぽっちゃりおばあちゃん魔女にしてあげました(笑)

来てくださった方にどのシーンが一番好きかを聞くのも楽しかった^^
私はヘンゼルとグレーテルが寝ていて、その間に鳥さんがパンを食べているシーンが好きです。

何度も何度もテーブルをまわって丁寧に見て下さる方もいて、とても嬉しかったです。
作っている時は納得いくように完成させる事が最優先なのですが、持っていくことを考えていなくて。
繊細なパーツ達を壊すことなくコンパクトにまとめることを考える事も大変だった~。

こうして無事にディスプレイされているのが奇跡なようにさえ感じます。
本当に良かった!!

次はお菓子の家の細かなこだわりを書きたいと思います^^

絵本フェスティバルのイベント期間は終了しましたが、展示は7/28(土)までです。
是非まじかで見てみてくださいね♪

展示期間 7/28(土)18:00まで
展示場所 外交官の家 [山手・イタリア山庭園内] 横浜市中区山手町16番地
最寄駅   JR「石川町」駅 徒歩5分
入館無料

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